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替天行道(たいてんぎょうどう)

本屋さんに行くと、あんなにたくさんの本が所狭しと並んでいるのに、どうも興味をひかれる本が見つからない。別にジャンルは問わないし、本を選ぶ基準にそれほどこだわりがあるわけではないのだが、なかなか読む気にさせてくれる本に出会えなくって。

さんざん本屋中をぐるぐる歩き回った末に、あまりに欲しい本が見つからなくて、とうとうわたしが手に取った本とは、なんと。。。

水滸伝〈1〉曙光の章
北方 謙三





中国の歴史に特に興味あるわけでも、北方謙三ファンなわけでもないのだが。

いや、どっちかっていうと、北方謙三なんて好みじゃないし、日本のハードボイルド物にもあんまり興味ないんだけど。だって、シリーズモノだったから、これならしばらく読むものに困らないなーと思って。(爆)
知らなかったんだけど、北方って最近歴史小説を書いていたんですね。


という変な理由で読み始めた「水滸伝」だったが、まんまとはまった。
恥ずかしながら、「水滸伝」については何の知識もなかったし、実は「梁山泊」が水滸伝に出てくるということも知らなかった。
(最近、世間で話題になってたパチンコなんとかとは違うよ)

読み始めて、気が遠くなりそうなほどの登場人物の数にいったいどうなることかと思ったのだが(そもそも、「水滸伝」って108人の豪傑たちが世直しのために反乱を起こすという物語だそうなので)、それがどうして、一人一人が個性的に、魅力的に描かれていて、どの登場人物も頭の中で勝手なイメージをさらにふくらますことができるのである。(頭の中で登場人物たちが自由に動きだすのって、これこそ小説の醍醐味だと思ってる。)
梁山泊の面々が魅力的なのはもちろん、敵である憎き官軍の指揮官たちも、ヤなヤツらなんだけど、気になる人物たちなのだ。北方の筆、見事というしかない。いや、恐れ入りました。

冒頭の「替天行道」とは、まさに「天に替わり、道を行う」という意味。まさにこの目的のために、「志」を持った男たちが梁山泊を中心にして集まってきたのだ。「替天行道」の旗を掲げ、彼らは腐った国を倒すため、自分たちの国を作るために命をかけて戦うのである。「志」、まさにこれこそが人間が生きている目的、そして証なのかもしれない。
自分に志はあるのかと自問してみるが、答えは・・・。
などど、熱く語ってしまったが、難しいこと考えないで、気軽に楽しめること間違いなしの小説です。

全19巻なので、しばらく楽しめると思っていたら、今のところ文庫本化されているのは5まで。今後の出版は月1冊ペースのようである。ということは、あっというまに読み進んで、すでに5に入ってしまったので、この続きは来月まで出ないということ、読み終わるまでにまだ1年以上かかるということか・・・。その待ってる間、いったいどうすればいいというのだ。
あぁ、さらに悩みが増えてしまった。
by giovanni12 | 2007-02-21 21:00 | My favorite